「株の動画を見ていると、PERが何倍とかROEが何パーセントとか、ローマ字3文字の言葉が飛び交っていてわけがわからない」そんな経験、ありませんか?今回はその3文字指標を整理します。ただし全部覚えようとしなくて大丈夫です。まずは2つだけ押さえれば十分です。
なぜ3文字指標がわかりにくいのか
シロー「PERとかPBRとかROEとか、最初は全部覚えなきゃって思ってたんだけど、似たような言葉が多くてごっちゃになってしまうんだよね。特にRがつく言葉が多くて混乱する。」
「それは当然にゃ。よく出てくる指標だけでもこれだけあるにゃ。」
| 指標 | 正式名称 | 一言で言うと |
|---|---|---|
| PER | Price Earnings Ratio | 株価が利益の何倍か |
| PBR | Price Book-value Ratio | 株価が資産の何倍か |
| ROE | Return On Equity | 自己資本でどれだけ稼いだか |
| ROA | Return On Assets | 総資産でどれだけ稼いだか |
| EPS | Earnings Per Share | 1株あたり利益 |
| BPS | Book-value Per Share | 1株あたり純資産 |



「こうして並べてみると、PとRが多いなって気づいたよ。」
「よく気づいたにゃ。実はルールがあるにゃ。」
Pが多い理由 ・PはPrice(プライス=株価)の頭文字にゃ ・PER・PBRのように「株価が〇〇の何倍か」を表す指標にはPがつくにゃ
Rが多い理由 ・RはRatioまたはReturnのどちらかにゃ ・PERのRはRatio(比率・倍率) ・ROEやROAのRはReturn(リターン=収益率)
「つまりこうなるにゃ。」
P(Price)+何かの指標+R(Ratio)
↓
株価が〇〇の何倍かを表す指標(PER・PBR)
R(Return)+On+何かの指標
↓
〇〇に対してどれだけ稼いだかを表す指標(ROE・ROA)



「なるほど!頭文字の意味がわかると急に覚えやすくなるね。最初からこれを教えてもらいたかったよ。」
「全部いっぺんに覚えようとするから混乱するにゃ。まずPERとPBRの2つだけ押さえれば十分にゃよ。」



「2つだけでいいの?それは助かる。」
PER(株価収益率)─ 市場の「期待温度計」



「PERから教えてほしいな。」
「PERの計算式はこうにゃ。」
PER = 株価 ÷ EPS(1株あたり利益)
「具体例で見るとこうにゃ。」
- 株価:2,000円
- EPS(1株あたり利益):100円
- PER=2,000円 ÷ 100円 = 20倍



「投資動画でよく『PERが20倍だから何年で元が取れる』みたいな説明を聞くんだけど、毎回??ってなってたんだよね。」
「その説明、間違ってはいないけど落とし穴があるにゃ。整理するとこうにゃ。」
「何年で元が取れるか」説明の問題点
毎年100円の利益が出るなら2,000円の投資を回収するのに20年
↓
でも利益は毎年変わる(来年2倍になるかもしれない)
↓
配当だけでなく株価上昇でも利益が出る
↓
成長企業は将来の利益を先取りして株価が動く
「だから『何年で元が取れるか』より『市場がこの会社の成長にどれだけ期待しているか』という温度計として見る方が実態に合っているにゃ。」
PERが高い(30〜50倍)
↓
市場が「この会社は将来もっと稼ぐ」と期待している
↓
期待通りに成長すれば株価はさらに上がる
↓
期待を裏切ると株価が大きく下がる
PERが低い(10〜15倍)
↓
市場が「この会社はあまり成長しない」と判断している
↓
でも業績が改善すれば一気に見直し買いが入ることもある



「PER20倍超えると割高って最初は覚えたけど、それだと半導体銘柄が一つも買えなくなるよね。」
「まさにそこが落とし穴にゃ。実際の数字を見るとこうにゃ。」
| 銘柄 | PER(目安) |
|---|---|
| エヌビディア(米国) | 30〜50倍 |
| 東京エレクトロン | 25〜40倍 |
| アドバンテスト | 30〜50倍 |
「『PER20倍以下が割安』というルールで見たら全部割高にゃ。でも世界中の投資家が買い続けているにゃ。」



「じゃあPERをどう使えばいいの?」
「正しい使い方は同じ業種内で比較することにゃ。」
半導体セクター内でPERを比較する
↓
セクター平均より低い銘柄は相対的に割安
↓
同じ成長期待があるなら安い方を選ぶ
「業種をまたいでPERを比較するのは意味がないにゃ。銀行株のPER10倍と半導体株のPER40倍を比べて『銀行の方が割安』とは言えないにゃよ。」
PBR(株価純資産倍率)─ 会社の「解散価値」との比較



「PBRって何?」
「PBRの計算式はこうにゃ。」
PBR = 株価 ÷ BPS(1株あたり純資産)
「純資産とは会社が持っている資産から借金を引いた『正味の財産』のことにゃ。わかりやすく言うとこうにゃ。」
会社が持っている資産(純資産)が100億円
↓
時価総額(株式市場での評価)が80億円
↓
PBR=0.8倍(1倍割れ)
↓
「今すぐ解散して資産を分けた方が株主に得」という状態
「実は今、東証がこのPBR1倍割れ問題に本気で取り組んでいるにゃ。」



「どういうこと?」
「2023年から東証がプライム市場の上場企業に対してPBR1倍割れの改善を要請しているにゃ。日本の上場企業の約半数がPBR1倍割れという状況が続いていたからにゃ。」
東証がPBR改善を要請
↓
企業が自社株買い・増配・事業効率化で応える
↓
株価が上昇してPBRが改善する
↓
株主にとって嬉しい結果になる
「2026年1月には東証が各企業の改善策の内容を一斉公開したにゃ。改善に本気で取り組んでいる企業を見つけることが投資のヒントになるにゃよ。」
投資者の視点を踏まえた「資本コストや株価を意識した経営」のポイントと事例



「有名な大手企業でもPBR1倍割れのところがあるって聞いたけど、そういう会社の株はどう見ればいいの?」
「判断が分かれるにゃ。買っていい場合と避けた方がいい場合があるにゃ。」
買っていい1倍割れ企業の特徴
・自社株買い・増配など株主還元に積極的
・東証の要請に対して具体的な数値目標を出している
・本業の営業利益が安定している
・ROEが改善傾向にある
避けた方がいい1倍割れ企業の特徴
・業績が右肩下がり
・改善策が「検討中」のまま動かない
・不祥事の原因が解決していない
「安いからといって飛びつくと『バリュートラップ』にはまるにゃ。バリュートラップとは、割安に見えて買ったけどいつまでも株価が上がらない罠のことにゃよ。」
ROEは「おまけ」として覚えておく程度でOK



「ROEはどうなの?」
「ROEはReturn On Equityの略で、自己資本(株主から預かったお金)を使ってどれだけ効率よく利益を生み出したかを示す指標にゃ。」
ROE = 純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)
「目安はROE8%以上が一つの基準にゃ。東証もこの水準を意識した改善を求めているにゃ。ただし初心者のうちはPERとPBRの2つを押さえておけば十分にゃ。ROEはその次のステップにゃよ。」



「PERとPBRだけ先に覚えて、ROEはあとから深掘りするということだね。」
株の数字は「過去」ではなく「未来」を見ている



「こういう指標を見るときに、何か大事な考え方はある?」
「一番重要なことを言うにゃ。株式投資の数字は将来への期待値を織り込んでいるにゃ。」
製造業の感覚:今の在庫・今の設備・今期の売上で判断する
↓
株式投資の感覚:将来の利益・将来の成長で判断する
「だからこうなるにゃ。」
今の利益が100円でも
↓
「来年は200円になる」と市場が判断したら
↓
株価は200円ベースで動く
↓
PERは今の利益で計算するから高く見える
「これが『成長株はPERが高くなる』理由の本質にゃ。数字を見るときは常に『市場は将来に何を期待しているのか』という視点を忘れないにゃよ。」



「数字は現在じゃなくて未来を見ている。この考え方を最初に知っていたら、もっと早く理解できたと思うよ。」
まとめ



「今日の話を整理してもらえる?」
「まとめるとこうにゃ。」
| 指標 | 一言で言うと | まず覚えるべき使い方 |
|---|---|---|
| PER | 市場の期待温度計 | 同じ業種内で比較する。20倍ルールは万能ではない |
| PBR | 解散価値との比較 | 1倍割れ企業は改善策が本気かどうかを確認する |
| ROE | 自己資本の効率性 | 8%以上が目安。まずはPERとPBRの次のステップ |
「全部いっぺんに覚えなくていいにゃ。PERとPBRの2つを押さえて、実際に銘柄を見ながら少しずつ感覚をつかむのが一番の近道にゃよ。次回は『増益なのになぜ株価が下がるのか』という初心者が必ずぶつかる疑問に答えるにゃ。」







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