EV化の世界的な動きを整理してみた ─ 中国・米国・日本の現状

「電気自動車(EV)に乗り換えなきゃいけない時代が来るの?」そんな話、ニュースでよく聞きますよね。でも実際のところ、世界でEVがどれくらい普及しているのか、日本はどうなのか、なかなかわかりにくいですよね。今回はそこを整理してみます。投資の視点からも見逃せないテーマですよ。

目次

まず「EV」って何?

シロー

「最近ニュースでEVって言葉よく聞くけど、そもそもEVって何?」

「EVはElectric Vehicle、つまり電気自動車のことにゃ。大きく2種類あるにゃ。」

種類正式名称特徴代表例
BEVBattery Electric Vehicleバッテリーのみで走る純粋な電気自動車テスラ、日産リーフ
PHEVPlug-in Hybrid Electric Vehicle電気+ガソリン両方使えるハイブリッド車トヨタ プリウスPHV

「ニュースで『EV販売台数』と言うとき、BEVとPHEVの両方を含む場合が多いにゃ。数字を見るときは何を指しているか確認するのが大事にゃ。」

世界のEV普及、今どうなってる?

シロー

「世界全体でどれくらいEVが売れてるの?」

「2025年の世界EV販売台数は約1,812万台(前年比18%増)にゃ。市場を3つに分けると全然違う景色が見えてくるにゃ。」

中国 ─ 圧倒的な世界一

シロー

「中国って強いの?」

「別次元にゃ。まず数字を見てほしいにゃ。」

  • 世界EV販売の約7割が中国
  • 2025年の国内EV比率:約48%(新車2台に1台がEV)
  • BYDが2025年にテスラを抜いて世界販売首位に

「さらに電池(バッテリー)でも圧倒的にゃ。」

  • 世界の電池生産能力の84%を中国が握っている(2030年見通し)
  • 正極材(バッテリーの心臓部となる材料)でも中国が世界トップシェア

「2026年1月からは『電気自動車のエネルギー消費量限値』という世界初の強制基準も施行されたにゃ。効率が悪いEVは販売できないというルールにゃ。中国はもう『量から質』の段階に入っているにゃよ。」

シロー

「もともとガソリン車では日本に負けてたのに、なんでそんなに強くなったの?」

「国が補助金と規制をセットで動かして、強制的に市場を作ったからにゃ。流れはこうにゃ。」

補助金でEVを安く買えるようにする
 ↓
メーカーがEV開発に集中投資する
 ↓
量産効果でコストが下がる
 ↓
補助金なしでも価格競争力が出てくる

「この流れを国家戦略として10年以上かけてやってきた結果にゃ。」

米国 ─ トランプ政権で急ブレーキ

シロー

「アメリカはどうなの?」

「2024年の米国EV販売比率は8%にゃ。ところが2025年に大きな変化があったにゃ。」

  1. EV購入時の税額控除(最大7,500ドル=約112万円)を廃止
  2. 排ガス・燃費基準を緩和
  3. 中国製EV・バッテリーへの追加関税強化

「この結果、EVシェアの動きはこうなったにゃ。」

9月:13.6%(廃止前の駆け込み需要)
 ↓
10月:6.5%(補助金廃止後、急落)

「補助金がなくなった途端に半分以下になったにゃ。」

シロー

「結局補助金頼みだったってこと?」

「そこが本質的な問題にゃ。さらに中国製を締め出したいけど、こんな現実もあるにゃ。」

  • 2025年7月の中国からのBEV輸入台数:わずか5台(前年同月は981台)
  • 世界の正極材生産の84%は中国製
  • 専門家は「米国はまだ競争の土俵にすら立てていない」と指摘

「締め出したいけど、中国なしでは電池が作れない。この矛盾がアメリカの現実にゃ。」

日本 ─ 普及率2.7%。ガラパゴスか、賢い選択か

シロー

「日本はやっぱり遅れてるの?」

「数字だけ見ると確かに遅れているにゃ。」

地域2024〜2025年EV販売比率
中国約25〜48%
欧州(英仏独)約19%
米国約8%
日本約2.7%

「ただ日本には理由があるにゃ。トヨタをはじめ日本のメーカーはマルチパスウェイ戦略を取っているにゃ。」

シロー

「マルチパスウェイって何?」

「EV一本に絞らず、複数の技術でカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)を目指す戦略にゃ。イメージはこうにゃ。」

カーボンニュートラルを目指す

EV/HEV(ハイブリッド)/PHEV/FCV(燃料電池車)

地域・用途に合わせて使い分ける

「ハイブリッド車で世界トップシェアを持つ日本ならではの戦略にゃ。ただEV化の波に乗り遅れているという批判もあるにゃよ。」

シロー

「2026年以降、日本に変化はある?」

「あるにゃ。注目の動きがこれにゃ。」

  • 日産サクラ:3年連続国内EV販売1位(年間2万台)
  • ホンダ N-ONE e::2025年9月発売、好調
  • BYD ラッコ:2026年夏、日本専用設計の軽EVを発売予定
  • トヨタ・スズキ・ダイハツ:軽商用EV共同開発中

「政府目標は2030年に新車販売の20〜30%をEVにすることにゃ。現状の2.7%からは相当な加速が必要にゃよ。」

投資家はどこを見ればいい?

シロー

「EVの流れって投資と関係あるの?」

「大ありにゃ。ただ『EVメーカーの株を買えばいい』というほど単純じゃないにゃ。ゴールドラッシュで一番儲けたのは金を掘った人じゃなくてスコップを売った人、という話があるにゃ。EVも同じ発想で見るとヒントが見えてくるにゃよ。注目すべき周辺産業はこれにゃ。」

分野内容関連銘柄例
電池材料正極材・負極材・電解質など住友金属鉱山など
電線・電力インフラEV普及→電力需要増→電線需要増フジクラ・古河電工・住友電工
レアメタルリチウム・コバルト・ニッケルなど希少金属資源関連各社
充電インフラ充電スタンド急増中関連設備メーカー

「EVメーカーは競争が激しくて勝者が見えにくいにゃ。でも電線やバッテリー材料はどのメーカーが勝ってもほぼ必ず必要になるにゃ。リスクの分散という意味でも理にかなった見方にゃ。」

シロー

「直接EVを作る会社より、支える側の会社の方が安定してそうだね。」

「その通りにゃ。次回以降もこの視点で掘り下げていくにゃよ。」

まとめ

シロー

「今日の話を整理してもらえる?」

「まとめるとこうなるにゃ。」

地域現状注目点
中国新車の約半分がEV・世界シェア7割量から質へ転換中
米国補助金廃止で成長鈍化中国依存という矛盾が露呈
日本普及率2.7%と出遅れ2026年以降に軽EV中心で変化の兆し

「投資で見るなら、EVそのものより電線・電池材料・充電インフラ・レアメタルという『EVを支える産業』に注目にゃ。次の記事では水素エネルギーの可能性と限界に踏み込んでいくにゃよ。」

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この記事を書いた人

猫と暮らしながら、還暦を機に「新しい世界」を見たくて投資を始めました。 製造現場で30年培った「品質を見る目」を武器に、難しい経済ニュースはAIを秘書にして読み解き、日々の株価はスプレッドシートで管理するデジタル派還暦投資家を目指しています。 2025年9月から、日本株を中心に月5,000円の少額投資をコツコツ実践中です。

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